1、日本の木工(1)
正倉院の木工 正倉院事務所編 日本経済新聞社
1978 206p 38×26.5 \18,000(絶版)古本屋で\60,000~100,000
日本の木工の原点ともいえる正倉院の木工をまとめてある決定版。1300年以上も昔の木工品がこれほどまとまって伝来している所は世界でも他にはない。木工具の未発達な時代に現在では復元も不可能な程の驚異的な仕事がされている。図版多数。
この他に「正倉院の木工芸 関根真隆編 至文堂 1982 \1,140(絶版)古本\1,200~1,500」はコンパクトにまとめてある。
和家具 小泉和子 小学館
1996 187p 30.5×23 \5,800(絶版)
江戸から昭和の日常生活で使われた家具をまとめたもので図版も多い。家具木工は日本の生活文?TRADITIONAL JAPANESE FURNITURE KODANSHA INTERNATIONAL 1986 223p 30.5×23 \12,000」も図版が多い。
2、日本の木工(2)
黒田辰秋 人と作品 駸々堂
1975 260P 34×28 \50,000(絶版)古本屋で\140,000~160,000
日本を代表する木漆工芸家の作品集。多数の図版に白洲正子の評伝がつく。民芸や李朝の影響のある初期から、用の美の中で独自の造形で存在感の強い作品を作り続けた生涯の作品をまとめてある。「人間国宝シリーズ 黒田辰秋 講談社 1977 \980」は値段の割には写真も多く、よくまとめてある。2000年の豊田市美術館の「黒田辰秋展」の図録も作品集としてよく出来て
氷見晃堂 田中喜男 北国出版社
1976 440p 22×16 \6,000(絶版)
金沢で活躍した人間国宝の木工家の評伝。繊細で品のある仕事を多数残したが、作品集としては「人間国宝シリーズ 氷見晃堂 講談社 1978 \980」が図版も多くて手頃で良い。
大野昭和斎 木内武男 至文堂
1992 212p 31.5×22.5 \13.000(絶版)
岡山で活躍した人間国宝の木工家の作品集。氷見晃堂に続き伝統工芸の木工を受け継いで、多くの作品を残している。
3、李朝の木工
朝鮮の膳 浅川巧(浅川巧全集所載)
浅川巧全集 1996 805p 22.5×17 \24,720
民芸の柳宗悦に李朝工芸を紹介した浅川兄弟の弟である巧の著書。1929 年に初版がでた。李朝木工を代表する膳をまとめてあるが、李朝文化の色濃く残っている時に書かれたものなので、今では調べ様もない貴重な内容となっている。植民地時代に朝鮮文化に魅せられた希有な人物で、その生き様も貴重。長く絶版で希少本だったが、復刻されて一巻の全集に載っている。
韓国の木漆家具 崔淳雨 朴榮圭 庚美出版社
1981 296p 38×27
韓国で本格的に木工家具をまとめた最初の本。図?
李朝木工 池田三四郎 東峰書房
1983 206p 23×17 \7,000 (絶版)古本屋で\50,000
松本民芸家具の創設者である池田三四郎の数多い著書のひとつ。著者長年のコレクションと研究の成果をまとめたもので、他に類がない。韓国の眼とは少し違う民芸の眼で見い出した李朝木工は素朴な暖かさと不思議な存在感に満ちている。
Traditional Korean Furniture Man Sill Pai KODANSHA INTERNATIONAL
1984 192p 30.5×23 \7,800 Amazon.co.jp価格
韓国の家具史研究家の著作で、紹介されている木工品も良いものが多く、写真も美しい。
初版から年数を重ねているが現在でもすぐに入手可能。英文。
4、中国の家具
CLASSIC CHINESE FURNITURE WANG SHIXIANG HAN-SHAN TANG LTD
1991r 328p 31.5×24 \15,000 Amazon.co.jp価格
欧米では昔から中国家具に対する関心が高く、シノワズリーという中国趣味のインテリアスタイルも相変わらず人気があるので、数え切れないほどの
他に同じ王世襄が香港で出した「明式家具研究」1989や「CHINESE FURNITURE」 ROBERT HATFIELD ELLSWORTH 1970 などがある。
5、ヨーロッパの家具(1)
欧州の家具と古民具
1971 104p 25.5×26 古本屋で\2,500~3,000
ヨーロッパの家具の歴史というとルイ王朝とかバロック様式とか、支配層の権威の象徴のような椅子や戸棚が取り上げられる事が多く、あまり参考にならない。日常生活で使われたウインザ−チェアなどをまとめた本は、イギリスやアメリカにはあるが、日本にはほとんどない。この本は骨董家具展の図録として作られたが、実に魅力的な家具が紹介されていて、30年以上経った今ではこんな展覧会は不可能になってしまった。
池田三四郎の「民芸の家具」「三四郎の椅子」などの本の中でもこの種の家具は紹介されているが、この時の展覧会の中からスペインの戸棚やイギリスの椅子などが池田コレクションに入っている。民芸生活館の池田コレクションの一般公開が待ち望まれる。
6、ヨーロッパの家具(2)
CARL MALMS…TEN 100AR
1988 152p 24×25
スウェーデン家具の近代化を指導したカール・マルムステンの生誕100年記念の評伝。木工教育で有名なストックホルムのカール・マルムステン工芸学校の創立者で、ジェームス・クレノフの師でもある。一本の曲線もゆるがせにしない厳しい仕事ぶりだったようだが、スウェーデンの長い冬の暮らしに、温もりのあるシンプルなデザインの家具を提供した。(スウェーデン語版)
HANS J WEGNER リビング・デザインセンター
1995 120p 23.5×25 \5,000
言うまでもなく有名なデンマークの家具デザイナー。木の椅子のデザイナーとしてこの人の右に出るものはいない。多くのデザイナーが生涯でひとつ出来るかどうかのデザイン史に残るような椅子を50年以上の長い間に数多く世に出してきた。中国明代の椅子をリ・デザインしたチャイニーズ・チェアやY・チェアは50年以上たった今でも古さを感じさせず売れ続けている。(日本語版)
Mobel aus Massivholz Franz Karg
1980 136p 30×24
ドイツの木工家のフランツ・カーグのキャビネットばかりをまとめた本で。パインやオークを使って、単純なキャビネットに様々な表情を与えた仕事振りには恐れ入る。これはすぐ役に立つ。(ドイツ語版)なかなか好評だったようで、1991にはアメリカでSolid-Wood Cabinet ConstructionとしてTaunton Pressから英語版がでている。(Amazon.co.jp価格\3,727)1989には続編としてMassivholzmobelがでている。
7、アメリカの家具(1)
The Pine Furniture of Early New England RUSSELL HAKES KETELL DOVER
1929 285P 28×21
アメリカ東部の開拓時代の庶民生活の中で使われた素朴で健康的な家具や木工品をまとめたもの。歴史の浅いアメリカでは230年前の建?O後の時代の遺産をとても大切にしていて、ア−リ−・アメリカンの家具の本は数え切れないほど出ている。中でもこの本に紹介されているものの質は高く、雰囲気の良い写真と合わせて人気があるようで、初版から70年以上経っても再版を繰り返している。すぐ使える作例が多い。英文。
SHAKER JUNE SPRIGG &DAVID LARKIN STEWART,TABORI&CHANG 1987 272p 28.5×24 \2,664 Amazon.co.jp価格
ア−リ−・アメリカンの家具の中でも、特に人気があるのがシェ−カー家具で、禁欲的な究極のシンプル・デザインは後のモダン・デザインにも影響を与えている。シエーカーを紹介した本も数え切れないほどあるが、この本は絵のような美しい写真で極上の仕上がりとなっているので、見ているだけで幸せになる。英文。
NEW MEXICAN FURNITURE 1600-1940
1989 311p 30.5×23 ?
8、 アメリカの家具(2)
THE SOUL OF TREE George Nakashima KODANSHA INTERNATIONAL
1981 1988? 29.5×22.5 224p\5,540 Amazon.co.jp価格
多くの木工家に影響を与えた、日系アメリカ人の木工家の回想記と作品集。それまでの木工の常識を覆すような自然木で作り出された家具は無機化した現代の空間に生命力を与えて衝撃をもたらした。ジョージ・ナカシマをまねた凡百の木工家が自然木を使うようになったが、彼の家具は単なる発想の転換だけではなSD選書の一冊として1983年に出ている。
1989年にはアメリカン クラフト ミュージアムで回顧展が開かれ、
FULL CIRCLE1989 23×30 192pとして、作品集が作られている。
日本でも没後1993年に回顧展として「木のこころ-ジョージ・ナカシマ展」が開かれ、図録が作られている。
SAM MALOOF WOOD WORKER KODANSHA INTERNATIONAL
1983 1989? 30×22 223p \6,000 amazon.co.jp価格
The Furniture of SAM MALOOF NORTON
2001 31×26 269p \7,200 amazon.co.jp価格
アメリカ木工界の巨匠といえばこの人も忘れる事は出来ない。力強い仕事振りと繊細なデザインセンスで特にイスの完成度が高い。回顧展の機会に新しい作品集が作られたが、前の本もどちらも美しい写真で見応えがある。すぐに手に入るのも嬉しい。英文。
FURNITURE BY WENDELL CASTLE Hudson Hills Press
1989 1996? 152p
アメリカ木工界の巨匠というよりも、アメリカン アート ファニチャーの先駆者というべきか。アイディアの湧き出るまま次々と家具の形をしたアートを?
CABINET MAKERS NOTEBOOK James Krenov 1976 132p 28×23
THE FINE ART OF CABINETMAKING 1977 192P 28×23
THE IMPRACTICAL CABINETMAKER 1979 28×23
WORKER IN WOOD 1981 128P 31×24
WITH WAKENED HANDS 2000 125P 28×23
アメリカを代表する木工家だが、ベストセラーになった何冊もの木工書で世界中にファンを持つ。カール・マルムステンに師事して身に付けた北欧スタイルのシンプルな木工を独自の形に発展させて、現在は作品制作だけでなく木工教育にも力を入れている。最新刊はクレノフの木工教室の生徒の作品も合わせて紹介してあり、生徒は日本に何人もいる。
すべてペーパーバックが出ていてamazon.co.jpで\3,000前後で入手できるようになっている。英文。
CONTEMPORARY AMERICAN WOODWORKERS MICHAEL A. STONE
1986 163p 24×24
上記4人を含む現代アメリカを代表する木工家を紹介した本。英文。彼等が影響を与えたアメリカの木工家たちの作品をまとめたのが下記の本。
Design Book One~Seven
1977~ 31×24
この作品集のシリーズはこれまでに7冊に及んでいる。最初の3冊は写真も白黒だったが、アメリカの木工家具の幅広さに圧倒された。4冊目からはカラーになったせいか色鮮やかなアート志向の木工家具が目立ってきた。どの本も数百点の作品写真でアメリカ木工界の活況を伝えている。日本は木の国、木の文化といわれながら工芸の中で木工はまだまだマイナーだが、伝統に縛られ、アイデアも貧困で、センスの悪い木工品が多い現状ではいつまでたってもマイナーから抜けだせないだろう。
10、アフリカの家具
AFRICAN FURNITURE & HOUSEHOLD OBJECTS Roy Sieber
1980 279p 29×23
原始的で力強い造形が魅力的なアフリカの家具。技術的には指物が少なく、粗末な道具で手間を惜しまず硬木をひたすら彫り出した物が多い。日本でも縄文、弥生の時代は木工もこうだったのか、と思わせられる。信仰や儀式に使われるものも多いようで、そんな気持ちを失った我々にはとても真似が出来ないだろう。
下記の本がでるまで唯一の参考書で、色々な家具が使われている様子の写真やイラストも織りまぜながら見せていて楽しい。英文。
African Seats Sandro Boccola Prestel
1995 208p 30×24
タイトル通りアフリカの椅子をまとめた本。チェア−ではなくシートという表現通り、様々な腰掛けが紹介されている。写真も美しい。英文。 |